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最高裁判所第二小法廷 平成9年(オ)2415号 判決

東京都多摩市愛宕四-八-一八

大島企画事務所

上告人

宮城英一

福岡市博多区博多駅前三丁目二番一号

被上告人

株式会社はせがわ

右代表者代表取締役

長谷川裕一

右訴訟代理人弁護士

角銅立身

右当事者間の福岡高等裁判所平成八年(ネ)第四一五号、第八〇九号不正競争防止法違反本訴請求、不当利得反訴請求控訴、同附帯控訴事件について、同裁判所が平成九年八月二七日に言い渡した判決に対し、上告人から上告があった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 根岸重治 裁判官 大西勝也 裁判官 河合伸一 裁判官 福田博)

(平成九年(オ)第二四一五号 上告人 宮城英一)

上告人の上告理由

判決によれば「被控訴人が控訴人からの申入れによって販売を予定していた骨壷収納器につき、自らが開発したということを告知したにすぎない」との判断であるが平成五年二月新聞テレビ発表時点においては.

特許権譲渡契約や商品売買契約は一切締結されておらず被控訴人には特許権や商品を販売する権利も無い状態で自らが開発したということを告知する事自体不正競争防止法違反にあたる。又「各取材においては、いずれの場合にも控訴人が立ち会そいた」との表現であるが控訴人はいずれの場合も別席にて発明者としての取材を受けたにすぎず当時「被控訴人が開発した…」のコメントを聞いていればその場で訂正を求めたものである。

「被控訴人の従業員としては、控訴人においても右の取材内容を容認していたものと考えるのが自然であって、被控訴人に故意又は過失を認めることもできない。」との判断は全く不服である。

「新聞記事においては控訴人が特許権者であることを明示している」との表現は実際は「考案で特許を取長福岡市の発明家宮城英一さん」

との表現であり発明者としての明示はあるものの特許権者としての明示は一切無く被控訴人が開発したと発表したことにより控訴人が発明者、被控訴人が特許権者との認識が否めなくなったものである。

又、平成五年三月二四日商品売買契約締結にあたっても新聞、テレビを見た被控訴人があわてて契約を申し込んで来たのは被控訴人の非を打ち消すための意図的なものとしか思えません。

よって取材の過程及び契約の過程を充分調査された上で新たなる御判断を賜りたく思います。

以上

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